非線形CAE勉強会

第26期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「形と構造のCAE 〜設計力を上げる力学〜」

第4日目(2015/1/25,10:00〜16:40)

4-1 動的設計におけるモード解析
〔井戸浩登(Siemens Industry Software Simulation & Test)〕

振動・騒音解析の基礎となる「振動モード」「音響モード」の基礎的な概念について解説する。

実験モーダル解析、FEM固有値解析などの利用について、設計での利用例を紹介しながら、動的設計の基礎的な考え方について紹介する。

4-2 モード合成法について考えたこと
〔阿部倉貴憲(豊田中研)〕

モード合成法は異なる概念の組み合わせであり,線形・非線形有限要素法ソルバーや機構解析ソルバーといった多様な環境で使用されるため,利用者の技術的背景に基づいた誤解が生じたり,型に嵌った運用がなされることが少なくありません.本講義では,モード合成法を理解し使いこなすためのヒントを提供させていただきます.

  1. はじめに
    • モード合成法の概要と,どのように使われているかを説明します.
  2. モード合成法のキーポイント
    • モード合成法を理解し活用する過程で現れる「分かりにくい・勘違いし易い・面倒な」点についてお話しします.
    • (1) FE構造モデルの縮約について
    • (2) 物理座標・モード座標・○○○座標
    • (3) 拘束モードと固定境界モード
    • (4) 大規模FE構造モデルのハンドリング
  3. モード合成法の生きた教科書「Nastran」
    • 講演者がモード合成法を勉強する際の拠り所であったNastranについてお話しします.
    • (注)Nastranを使用されるのは一部の方のみなので,このパートは短時間(数分)で終了します.
  4. 事例紹介
  5. まとめ
4-3 AEと繰り返し計算と最適設計,及びその評価
〔下田昌利(豊田工大)〕

CAE及び最適化技術はある時期のブレイクスルーを経て、落ち着いた時期に入ってきている。両者ともその使い方が大事である。本講演ではまず、CAE技術の発展系といえる構造最適化手法とその自動車構造を中心にした使用例を簡単に紹介する。続いて、結果の判断が直感的で理解し易い形状最適化手法に焦点をあて,ソリッド,シェル,及び骨組構造に対する形状最適化に関して、設計者を悩ます設計変数の設定が不要で使い易いパラメターフリー形状最適化手法の内容とその計算例,及び得られた最適形状の構造的な考察と力学的評価について紹介する.

4-4 衝突解析における自動車の構造形成
〔宮地岳彦(JSOL)〕
4-5 スポーツシューズ進化におけるCAEの使い方
〔西脇剛史(アシックス)〕

ハードウエアの進化、ソフトウエアの汎用化、導入コスト低下に伴い、シミュレーションは益々身近なものとなっており、その利用者は拡大の一途をたどっている。しかしながら、設計プロセスにおいて、いつ・どこで・どのように活用するかによって、その効果は大きく異なってくる。

本講では、目的関数がはなはだ不明瞭で、用いるべき材料定数や荷重条件も特定できない分野においての活用例を、実商品と共に報告する。また、シューズソールに使用される樹脂フォーム材における最新の解析事例についても解説を加える。

  1. スポーツシューズ
    • Human Centered Design
    • スポーツシューズの構成素材と物理特性
    • 動作分析結果
    • 要求特性
  2. 設計手法
    • 衝撃緩衝性設計
    • 安定性
    • フィット性
  3. ソール部材の数値解析例
    • モデリング手法
    • SLDモデル解析
    • SHLモデル解析
  4. まとめ
    • 不確定な条件化での解の導出
    • 数値解析の活用方法