非線形CAE勉強会

第27期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「カスタマイズドCAE 〜機能追加によるシミュレーションの差別化〜」

第3日目(2015/6/27,10:00〜16:50)

3-1 汎用FEMの応用2
(外からのカスタマイズ:スクリプト言語の利用)
〔渡辺洋一,生出佳(メカニカルデザイン)〕
  1. プリポストとソルバーの組み合わせ(復習)
    • 1.1 汎用FEMのプリプロセッサについて(Abaqus,Marcほか)
    • 1.2 解析結果のポスト処理について
  2. スクリプト言語(Python)による自動実行と最適化
    • 2.1 汎用FEMの自動実行(Abaqusを例として)
    • 2.2 Excelの機能を利用した材料定数の最適化
    • 2.3 実験データの整理
    • 2.4 最適化について
  3. アプリケーションプラットフォームによる自動実行と最適化(Isightを例として)
    • 3.1 ジョブの自動実行
    • 3.2 材料定数の最適化の例
    • 3.3 実験データの整理
3-2 電子材料における,最適設計手法の検討
〔榎本利章(ナミックス)〕

CAEのカスタマイズの例として,最適化との組み合わせを取り上げて講義する.前半では最適化の基礎を理解いただくために,影響度解析,実験計画法,推定式の考え方を解説する.後半では,電子材料の最適設計にANSYSを適用した例を取り上げ,適切な手法の検討,解析の手順,検証,最適化設計への反映について検討の流れを解説する.

3-3 圧力機器設計規格に準拠した後処理
(一次応力制限,一次+二次応力制限,ピーク応力(疲労損傷)制限)
〔藤岡照高(東洋大学)〕

FEM構造解析に基づく設計、一般には企業のノウハウによってなされるべきであるが、公共性の高い原子力圧力機器に対しては ASME Boiler & Pressure Vessels Code Section IIIによって規格化されることで技術水準と透明性の確保が図られている。現実的な機械的損傷メカニズムを網羅した同規格の技術的背景を実例とともに学ぶことは、非原子力機器の設計技術を高める上でも有効と見られ、事実、ジェットエンジンや電子デバイスの設計手法にも思想的に類似したものがよく見られる。しかしながら、規格図書本体は、記号の煩雑さなどの理由から初学者が読解することは困難である。また、座学での学習では不十分で、技術者自らが解析結果の処理に取り組みつつ学習を進める必要がある。

本講義では、ASME Sec. IIIのエッセンスを取り上げた評価手順を示し、表計算ソフトによる後処理やユーザーサブルーチンによるカスタマイズを取り上げることで、参加者が自前で規格を学習する上での基本事項を解説する。

推奨参考書:佐藤拓哉,圧力設備の破損モードと応力,日本工業出版,2013.

3-4 1DCAEとFEM
〜1DCAEを実現するためのFEM活用〜
〔山梨敏数(ニュートンワークス)〕

1DCAEは概念設計や機能設計の段階からCAEをフル活用していくために重要な考え方の1つです。1DCAEとは何かについて実際に設計現場で使用されているツールを用いながら説明していきます。また、現在はFEMと1DCAEは別々に扱われていることも多いですがお互いに必要な存在として考えていくことで設計に厚みがでてきます。FEMモデルや結果の1DCAEへの活用法について簡単な例を用いて紹介していきます。

  1. 1DCAEとは
  2. 1DCAEに多用されるツール
  3. FEMと1DCAEの関係
  4. FEMモデルの活用