非線形CAE勉強会

シラバス

 

第4日目:熱とCAE-II(2004年 6月19日 日曜日)

4-1熱と粘弾塑性
〔冨田佳宏@神戸大〕(60)

ここでは,各種材料の温度,ひずみ速度依存性構成式を概説し,対応する有限要素法,シミュレーション例を紹介する.

  1. 弾塑性材の構成式
  2. 熱弾塑性材の構成式
  3. 粘弾塑性材の構成式
  4. 温度・ひずみ速度依存性高分子材の構成式
  5. 温度・ひずみ速度依存性相変態モデルと構成式
  6. 各種材料の温度・ひずみ速度依存性挙動のシミュレーション例

なお,上記何れも対応する有限要素方程式も示す.

4-2熱と金属加工 II - 鍛造
〔石川孝司@名古屋大〕(60)

熱に関係した鍛造加工の問題について概説し,それぞれのモデル化,解析手法,解析結果について紹介する.

  1. 被加工材の変形抵抗の温度依存性(冷間鍛造)
  2. 塑性発熱,摩擦発熱,金型熱弾性変形による製品寸法変化(冷間鍛造)
  3. 鍛造製品の組織・機械的特性変化(温・熱間鍛造,冷間鍛造)
  4. 鍛造後熱処理による組織,ひずみ,寸法変化(焼入れ,焼戻し処理)
  5. 金型寿命(熱間鍛造)
4-3熱と樹脂
〔中野亮@東レエンジニアリング〕(60)
  1. プラスチック成形と熱の関わり
  2. 樹脂材料の熱特性に関する構成則と物性について
  3. 射出成形シミュレーションにおける熱の取り扱い
  4. 結果に及ぼす熱特性の影響
4-4熱とクリープ I
〔宮崎則幸@京大〕(60)

有限要素法によるクリープ解析に必要な基礎的事項について説明する。

  1. 単軸応力状態のクリープ挙動
    • 各種クリープ構成式、時間硬化則、ひずみ硬化則、修正ひずみ硬化則等について説明する。
  2. 多軸応力状態のクリープ挙動
    • 単軸のクリープ構成式を多軸応力状態に拡張する手法について説明する。
  3. 有限要素法の定式化
    • 初期ひずみ型解法と接線剛性型解法について説明する。
4-5熱とクリープ II
〔小林卓哉@メカニカルデザイン〕(30)
4-6熱と溶接
〔村川英一@大阪大〕(60)
  1. 溶接の結果何が起こるのか?
    • 熱の発生・拡散、溶融・凝固、相変態、膨張・収縮、塑性変形の結果として接合が実現されるが、過大な変形・残留応力、割れ、靭性低下が生じる場合もある
  2. 溶接シミュレーションに何を期待し、どのように活用するのか?
    • 現象の理解、要因分析と問題解決の指針、技能の技術化、設計へのフィードバック、試作の削減
  3. 溶接シミュレーションの現状
  4. シミュレーション活用のための基礎知識
    • ひずみの種類と固有ひずみ、固有ひずみの特徴と残留応力・変形
  5. 力学的シミュレーションの観点から見た溶接現象の特殊性
    • 移動局所非線形問題、三次元問題
  6. 目的に合わせたシミュレーション法の選択
    • 詳細な非線形過渡解析(熱弾塑性解析)と簡便な弾性解析 (固有ひずみ法)の使い分け
  7. 溶接シミュレーションの例
    • パイプの突合せ溶接による残留応力の解析 (軸対称と三次元モデル)
    • 大型構造物の溶接変形予測 (固有ひずみ法、トータルな問題把握)
    • 溶接高温割れの予測 (表面生成のモデル化)
  8. まとめ
 閉会の挨拶と次回のアナウンス
〔菊池昇@ミシガン大〕(10)