非線形CAE勉強会

第11期非線形CAE勉強会・シラバス

 

第3日目:強度・剛性CAE-III (2007年6月16日土曜日)

3-1 強度・剛性CAEのための塑性・クリープの力学
〔大野信忠@名古屋大〕(120)

本講義では,金属材料の非弾性構成式の力学的基礎と特徴について解説する.このような構成式の有限要素法への組込みについても述べる.

  1. 塑性構成式の基礎
    • 1.1 初期降伏曲面と後続降伏曲面
    • 1.2 降伏曲面の凸面性と法線則
    • 1.3 負荷と除荷
    • 1.4 塑性変形の非圧縮性
    • 1.5 偏差応力
    • 1.6 Mises相当応力と降伏条件
    • 1.7 等方硬化と移動硬化
  2. 塑性構成式
    • 2.1 完全塑性モデル
    • 2.2 等方硬化モデル
    • 2.3 線形移動硬化モデル
    • 2.4 非線形移動硬化モデル
    • 2.5 多線形移動硬化モデル
  3. クリープ構成式
    • 3.1 クリープ曲線
    • 3.2 定常クリープモデル
    • 3.3 時間硬化モデル
    • 3.4 ひずみ硬化モデル
    • 3.5 修正ひずみ硬化モデル
  4. 高温非弾性構成式(鉛フリーはんだを中心に)
    • 4.1 古典的分離型モデル
    • 4.2 速度依存分離型モデル
    • 4.3 統一型モデル
  5. 有限要素法への組込み
    • 5.1 Newton-Raphson法
    • 5.2 陰的応力積分とコンシステント接線係数
    • 5.3 組込み例と解析例
3-2 強度設計の考え方
〔山崎光悦@金沢大〕(120)
  1. 強度設計の指標
    • 強度設計で考慮すべき要因,材料強度の指標と設計基準,剛性・変形の指標と設計基準
  2. 構造設計と設計変数
    • 標準設計問題とその設定法,設計変数による設計問題の分類,構造強度,信頼性設計
  3. 最適設計法とその分類
    • 最適性基準法、数理計画法、進化的アルゴリズム
  4. 設計問題の設定と解法
    • 設計感度解析法,局所近似と全体近似,応答曲面近似と実験計画法,RBFネットワーク近似など
  5. 多目的最適設計とその解法
    • 多目的と多基準,トレードオフとパレート解,多目的最適化法の分類と2,3の手法など
3-3 板成形の強度・剛性CAE
〔高橋進@日本大学・桑原利彦@東京農工大〕(120)

〔高橋進@日本大学〕

  1. 成形シミュレーションの技術開発の背景
  2. 板成形プロセスと成形不具合
  3. 部品設計段階での成形シミュレーション
    • ・ワンステップシミュレーション
  4. 生産準備段階での成形シミュレーション
    • ・われ、しわシミュレーション
    • ・スプリングバックシミュレーション
    • ・面ひずみの定量評価等
  5. まとめ

〔桑原利彦@東京農工大〕

  • 話題1:応力を基準とした成形限界の評価手法

アルミニウム合金管および冷牽・焼準された電縫鋼管を研究対象に選び,軸力-内圧型CNC2軸応力試験機を用いて,さまざまな負荷経路における成形限界ひずみおよび応力成形限界応力を測定した.成形限界線はひずみ経路に依存して大きく変化するが,成形限界応力を応力空間にプロットすれば,それらは一本の曲線(成形限界応力線)上に集中し,ひずみ経路依存性が消失することが明らかとなった.ただし,鋼管については,材料のひずみ硬化挙動の様態が成形限界応力のひずみ経路依存性に深く影響を及ぼすことがわかった.

  • 話題2:電子部品用銅合金板の引張・圧縮特性の差異とその曲げ変形挙動への影響

電子部品用極薄銅合金板を対象として,その引張および圧縮変形特性が曲げ変形特性に及ぼす影響を明らかにする.まず,供試材に引張−圧縮の面内反転荷重を連続して負荷することができる試験機を製作し,処女材および引張予ひずみ材の引張・圧縮試験ならびに反転負荷試験を行い,測定された応力−ひずみ曲線を精密に関数近似する.次に,供試材に均等曲げを加えることができる試験機を製作し,処女材および引張予ひずみ材の曲げモーメント−曲率線図を精密に測定する.最後に,引張と圧縮の応力−ひずみ曲線の差違を考慮して曲げモーメント−曲率線図を計算し,実験値と比較する.以上の一連の実験と解析により,供試材の曲げ変形特性に及ぼす,バウシンガ効果やSD効果の影響を定量的に明らかにする.