非線形CAE勉強会

第4期非線形CAE勉強会・シラバス・第4日目

 

第4日目:非線形CAEベンチマーク Part II [ 2003年11月30日 ]

4-1 解法のベンチマーク
〔菊池昇・西垣英一@豊田中央研究所〕 (35)

本講では、CAEソフトが用いている「解法」に注目し、そのベンチマークについて論じる。解法には「陽解法」と「陰解法」の2種類があり、陽解法の発展理由や背景を示し、4-2の講義と合わせて、ぞれぞれの解法の特徴(長所、短所)や、解法が現実の非線形現象を正しく表しているかなどについて論ずる。

非線形現象の中には、陽解法だけで良いもの、あるいは陰解法だけで良いもの、さらに両者の組み合わせが必要なものがあり、それらについて事例を紹介する。

一方、非線形解析のための「要素」は一見「解法」と独立しているように見えるが実は「解法」と密接に関係している事があり、要素の安定性や精度ついても言及したい。

座屈の解法については、材料非線形と幾何学的非線形について示した上で、座屈固有値解析による初期不整の影響など事例を用いて紹介する。

4-2 ベンチマークの具体例(2) 板成形問題における陰解法・陽解法
〔岩田徳利@豊田中央研究所・梅津康義@日本総研〕(25)

本講では、陽解法と陰解法の組み合わせの具体例として「板成形問題」を取り上げる。まず、それぞれの解法についてアルゴリズムの概要を復習し、両者の特徴(長所、短所)をまとめる。

一方、板成形に起こるさまざまな現象(自重変形、ブランクホールド、ドロー、トリミング、スプリングバックなど)の特徴を分析し、それぞれの解法の長短所を考慮して、最適な「現象-解法」組み合わせ例を紹介する。

特別講義(2) 「有限要素法と30年」〔酒井瞳@トヨタコミュニケーションシステム〕(60)
4-3 設計モデルのベンチマーク
〔中川稔章@豊田中央研究所〕(50)

現在CAEは設計のための道具として広く活用されている.本講義では「設計業務のために,CAEの持つあいまいさを認識しながら如何にCAEとうまく付き合っていくべきか」という命題について概説を試みる。

  1. はじめに〜設計のためのモデリングについて
  2. 設計段階と要求性能に対するモデリングについて
  3. 初期設計段階のCAEモデル〜First Order Analysis
  4. 詳細設計段階のCAEモデル〜振動騒音問題を例として
4-4 解析結果のベンチマーク(結果の整理と解釈)
〔小林卓哉@メカニカルデザイン・井戸浩登@ソニー〕(50)
4-5 理解度のベンチマーク(個人レベルの理解度判定)
〔平郡久司・梅津康義・寺田賢二郎〕(50)

今期の非線形CAE勉強会で提示する各「ベンチマーク」に関して,「理解度」の観点から整理し,非線形CAEに関する個人レベルでの理解度判定の一例を紹介する。

  1. 非線形CAEの枠組みと理解度
  2. 数理モデルと物理モデルの理解度
    • ・力学と非線形解析の理解度
    • ・有限要素法の理解度
    • ・解法・アルゴリズムの理解度
  3. ソフトウェアの理解度
  4. 設計モデルの理解度
  5. 解析結果の理解度
  6. 総論
総括 〔菊池昇@ミシガン大〕(10)

( )内は予定講義時間(分)